サブエージェントのモデルは、書かなければ本体と同じになる
最初に、モデルがどう決まるかを確認します。Claude Code のサブエージェントの仕様は公式ドキュメントにあります。
定義ファイルの model に書けるのは、sonnet・opus・haiku・fable の別名、完全なモデルID、inherit のいずれかです。実際に使われるモデルは、次の順番で決まります。
- 呼び出しごとの model 指定
- 定義ファイルの model(inherit なら本体の会話と同じ)
- 環境変数 CLAUDE_CODE_SUBAGENT_MODEL
- 本体の会話のモデル
つまり、定義に書かず環境変数も設定していなければ、サブエージェントは本体の会話と同じモデルで動きます。本体が Opus なら、単純な作業も Opus で走ります。
指定なしの定義を埋めた
2026年9月30日の定義の点検で、model の指定がなかった16体に値を書きました。この16体には、8月16日より後に足した書籍制作の7体が含まれます。内訳は Opus 13体、Sonnet 3体です。
Sonnet にした3体の仕事は、参照画像の再現、メールの配線、Word への変換です。Opus にした13体は、販売ファネルの戦略・オファー・執筆や、書籍の設計から校正までを受け持ちます。
書かれていない役は、何も選ばれていないのではなく、本体のモデルが選ばれています。使い分けの前に、まず全定義に model を明示します。
定義を持たない一度きりの調査
その場限りの調査を振るときも同じです。model を渡さなければ、本体が Opus なら Opus で動きます。relmea では、単純な探索はその都度 sonnet か haiku を指定します。
最初は「モデルを分ければ視点が独立する」と考えていた
2026年5月20日に、検品役を Sonnet で動かす変更を入れました。当時の記録の要旨は、実装は Opus、検品は Sonnet として、モデルを分けて視点の独立性を上げる、というものです。費用の比較でも、品質の実測でもありません。
現在の検品役の定義は、この考えを使っていません。文面の要旨は次のとおりです。
- 検品役は実装の作業役と同じモデルで動く(どちらも Sonnet)
- 独立性はモデルの格でなく、コンテキストの分離で担保する
- 実装役の会話の文脈と「うまくいった」という主張は受け取らない
- 成果物と仕様と、自分で再実行したコマンドの結果だけで判断する
検品役が独立して見られる理由は、モデルの違いではなく、実装役の会話を受け取らないことに置き直しました。この訂正をいつ入れたかは、特定できていません。
2026年8月16日に、照合が主体の工程を Opus から Sonnet へ移した
使用量の上位を見た
この日、エージェントごとの使用量の内訳を見ました。上位7つの合計は45%で、内訳は次のとおりです。
- バックエンド実装の統括: 12%
- デプロイ: 9%
- 単体テストの実装: 7%
- 拡張機能の実装: 5%
- 本番診断: 4%
- 検品役: 4%
- バックエンド実装の作業役: 4%
このうち単体テストの実装、バックエンド実装の作業役、検品役の3つは、すでに Sonnet でした。残る4つ(合計30%分)は Opus でした。
同じ日に、検品役が本番診断の誤りを見つけた
同じ日、検品役がある動画アップロードツールの本番診断を点検し、3点を見つけています。
- 診断の中核の主張「非破壊の試行で、動画は1本も作っていない」が事実と違った。実際は、実チャンネルに公開状態を含む2本のレコードが作られていた
- わざと壊しても失敗しない、形だけのテストが2件あった
- 診断報告書の中に自己矛盾があった
誤った主張を書いたのは、Opus で動く本番診断の役でした。見つけたのは、Sonnet で動く検品役です。
検品役がやったのは3つです。申告を信じず、合否の検査を自分で実行し直すこと。テストに変異を入れて、失敗するか確かめること。画像を開いて実際に見ることです。この日の記録は、検証の質を決めたのはモデルの格ではなく、自分で実行して確かめる手順だった、と結論づけています。
変えた5体と、残した役
この日、次の5体を Opus から Sonnet に変えました。
- バックエンド実装の統括
- 受入試験の統括
- 本番診断
- デプロイ
- 拡張機能の実装
受入試験の統括は、使用量の上位7つには入っていません。実行と照合が主体の工程なので、一緒に移しました。
Opus に残したのは、要件定義・設計の3体、書き手、エージェントを作る役です。変更時の記録には「実行と照合が主体の工程は Sonnet で足りる」とあります。品質が落ちたときの受け皿には、検品役を置きました。変更後の内訳は Opus 50体、Sonnet 59体、指定なし7体(計116体)でした。
- 誤りOpus の本番診断役が「動画は1本も作っていない」と報告した。実際は実チャンネルに2本作られていた
- 発見Sonnet の検品役が、検査の再実行、テストへの変異の注入、画像の実見で見つけた
- 判断検証の質を決めたのはモデルの格ではなく、自分で実行して確かめる手順だった
- 変更実行と照合が主体の5体を Sonnet へ移し、受け皿に検品役を置いた。費用と品質の前後比較はしていない
測っていないこと
費用の削減額は測っていません。Sonnet に移した5体の品質について、変更前後の比較もありません。
したがって「品質が落ちなかった」とは書けません。比較していない、が事実です。1日の実例から「Sonnet は Opus と同等」や「検品は常に Sonnet でよい」とも言えません。
現在の内訳は Sonnet 67体・Opus 63体
2026年11月5日に定義ファイルを数えた内訳は、全130体で Sonnet 67体、Opus 63体、指定なし0体です。主な群を見ると、次のようになります。
すべて Sonnet の群
- ソフトウェア開発の作業役: 14体
- 学習サイトの専属: 4体
すべて Opus の群
- ウェビナー台本: 14体
- YouTube運用: 7体
- 広告運用: 3体
- エージェントの保守: 3体
- セールスコピー: 3体
分かれている群
ソフトウェア開発のフェーズの統括13体(検品役を含む)は、Sonnet 8体、Opus 5体です。Opus の5体は、要件定義、ページ実装、バックエンド計画、エージェント構築、拡張要件を担当します。
要件や計画を決める工程が Opus に残り、バックエンド実装、受入試験、デプロイ、検品は Sonnet です。ページ実装だけは実装の工程なのに Opus で、デザイン案を選ぶ段を含むとはいえ、この基準だけでは説明しきれません。
判断が主体(Opus)
- 要件定義
- バックエンド計画
- 拡張要件
- エージェントを作る役
実行と照合が主体(Sonnet)
- バックエンド実装の統括
- 受入試験の統括
- 本番診断
- デプロイ
- 検品役
自分の環境で 2026年11月5日に定義ファイルを数えた値です
基準と実物が揃っていない所
基準どおりになっていない箇所が、ほかにもあります。確認できたものを書きます。
検品の工程でも Opus のままのもの
動画の公開前検品、書籍の校正、エージェントの出荷判定は、検品の性格を持つ工程ですが Opus です。基準に沿えば移す候補ですが、まだ見直していません。
書き手の記録と実物が食い違う
8月16日の記録には、書き手は Opus に残したとあります。ウェビナーや書籍の書き手は Opus ですが、note の書き手3体は Sonnet です。8月以降に変更した履歴は無いので、この時点ですでに Sonnet でした。
工程の種類で見直していない群
YouTube運用の7体は、まとめて Opus で入れた群です。企画と検品では工程の種類が違いますが、判断か照合かで分けてはいません。
- 検品なのに Opus動画の公開前検品、書籍の校正、エージェントの出荷判定
- 実装なのに Opusソフトウェア開発のページ実装の統括。デザイン案を選ぶ段を含む
- 記録と違う書き手書き手は Opus に残したという記録に対し、note の書き手3体は Sonnet
- まとめて Opus の群YouTube運用の7体は、工程の種類で分けていない
検品役の限界と、モデルを上げる前に確かめること
検品役が確かめられる範囲
検品役は万能ではありません。2026年7月13日には、別のツールで0件返却のバグが、検品3回の合格、カバレッジ98%、68テスト全緑を通り抜けました。テストの偽物の応答が、実装と同じ誤解で書かれていたためです。
検品役は渡された成果物の範囲で確かめます。実物のAPI応答が無ければ、想定そのものが外れていても気づけません。実物との突き合わせは別の工程が要ります。そのため、検品役の合格を人のレビューが要らない唯一の根拠にはしていません。詳しくは評価データの設計の記事と検証設計の記事に書きました。
行き詰まったときの格上げ先
2026年10月1日に、行き詰まったときの格上げ先を決めました。格上げ先はモデルとは限りません。
- 原因が分からない: 専門のエージェントに回す
- 主張を確かめたい: 自分で実行して確かめる検品役に回す
- 判断が割れる、または高リスク: 立場の違う並列レビューに回す
- 推論の深さが足りない: 上位モデルに上げる
上位モデルは、推論の深さが足りないときの行き先で、4つのうちの1つです。結果が怪しいときに、まずモデルを上げる形にはしていません。
分け方のまとめ
工程ごとにモデルを分ける定石としては、運用コストの記事に書いた「前段は下位、最終判断は上位」があります。それに沿えば最後の点検は上位に置きたくなりますが、この日に誤りを書いたのは上位モデルの診断役で、見つけたのは Sonnet の検品役でした。実行と照合の振り分けは役割分担の記事でも扱っています。
relmea の分け方は、工程が判断なら Opus、実行と照合が主体なら Sonnet を基本にしています。ただし根拠は2026年8月16日の1件で、費用の削減額も品質の前後比較も測っていません。自分の環境で試すなら、まず全定義に model を書き、そのうえで照合が主体の役を1つ移し、検品役に自分で実行させて確かめるところから始められます。
