メルマガの開封率を出す前に、確かめた4つのこと
開封率は「開封数 ÷ 配信数」で出ます。分母の配信数に何が入っているか、分子の開封数がそもそも記録されているかで、数字の意味が変わります。
今回確かめたのは次の4つです。
- 宛先に運営者本人のテスト用アドレスが混ざっていないか
- 開封の計測をいつ有効にしたか
- 送信記録がどこまで遡れて、自動配信の進み具合を誰の分として数えられるか
- 問題が見つかったとき、テスト用アドレスを見分けて影響範囲を絞れるか
1つ目と2つ目は、数字の分母と分子に関わる確認です。3つ目と4つ目は、数字の元になる記録を信用できるかの確認にあたります。順に書きます。
- 宛先本人のテスト用アドレス2件(2026-06-15登録)を除く。配信数と開封率を出すときは必ず除くと決めた
- 計測開封計測を有効にした日を確かめる。relmea.com ドメインでは2026-10-21
- 記録送信一覧で取れたのは9/22以降の分だけ。自動配信の run には宛先が載っていない
- 影響範囲テスト用アドレスを見分けて、読者に届いたかを判定する
確認1: 宛先からテスト用アドレスを除く
宛先を確認したところ、2件が運営者本人のテスト用アドレスでした。どちらも2026年6月15日に登録されたものです。
この2件は読者ではありません。配信数に入れると分母が増え、本人が開いた分は分子にも入ります。どちらに転んでも、読者の開封率とは別の数字になります。
そこで、配信数と開封率を出すときは必ずこの2件を除く、と決めました(2026年10月21日に確認)。数字を出す手順に「除外」を最初から書いておけば、毎回の判断に頼らずに済みます。
自分のテストを反応に数えない
これは開封率に限った話ではなく、relmea の規律でもあります。以前、計測イベントが2件あり、需要の証拠かと見えたことがありました。中身を確かめると、2件とも動作確認のためのテストでした。
自分のテストや動作確認は、実績にも反応にも数えません。メルマガなら、ステップメールの流れを確かめるために自分宛てに登録したアドレスが該当します。
確認2: 開封率の計測をいつ有効にしたかを見る
次に確かめたのは、開封の計測そのものがいつから動いていたかです。relmea.com ドメインで Resend の開封計測(open_tracking)を有効にしたのは、2026年10月21日でした。
それより前の送信は、記録が「配達済み(delivered)」で止まっています。開封は後から取り出せません。
このため、過去分の開封率は「0%」ではなく「記録なし」です。0%は「届いたが誰も開かなかった」という測定結果です。記録なしは「測っていないので分からない」という状態で、意味がまったく違います。
この2つを同じ欄に並べると、「過去のメールはまったく開かれていない」と読めてしまいます。計測の開始日より前は空欄にするか、「記録なし」と明記します。
直す前(0%と書く)
- 「届いたが誰も開かなかった」という測定結果に読める
- 実際は測っていない
直した後(記録なしと書く)
- 記録が「配達済み」で止まっていて、開封は後から取り出せない
- 測っていないことが分かる
クリック計測は無効のままにした
同じ日に、クリック計測(click_tracking)の扱いも決めました。こちらは無効のままにしています。
有効にすると、メール内のリンクが計測用のURLに書き換えられるためです。relmea はリンクを書き換えたくないので、開封だけを有効にしました。計測を増やすと、メールの中身が変わる場合があります。何を測るかを決めるときは、その副作用も合わせて確かめます。
確認3: 送信記録がどこまで遡れて、誰の分かを特定できるか
3つ目は、数字の元になる記録の範囲です。送信記録は Resend の送信一覧API(GET /emails)で取れます。ただし、返ってきたのは9月22日以降の分だけで、それより前は一覧に出ませんでした。
「全期間を取れた」という前提で集計すると、取れていない期間が黙って抜けます。取得した記録の最初の日付を確かめてから、集計の期間を決めます。
自動配信の run には、誰の分かが載っていない
ステップメールのような自動配信(Automations)の進み具合は、run ごとの steps で数えられます。send_email が completed になっている数が、送り終えた通数です。
ただし、run には宛先(contact)が載っていません。誰の run かは、run の開始時刻と、読者の登録時刻を突き合わせて推定するしかありませんでした。
推定は、確定ではありません。宛先ごとの通数を出すときは、この推定が入っていることを前提に読みます。確認1で決めた除外も、この推定の精度に左右されます。
確認4: テスト用アドレスを見分けると、読者に届いたかが判定できる
4つ目は、実際に起きた不具合から分かったことです。配信ツールのビルダーに不具合があり、ある列の7通目(Mail7)の本文末尾に、原稿冒頭の内部向け説明文が混ざっていました。しかもその状態が、配信テンプレートに載っていました(10月11日に反映した版)。
読者に内部向けの文章が届いていたのかが、最初に確かめることでした。送信記録で影響範囲を調べました。
- 送信記録は22件
- そのうち、この通(Mail7)は3件
- 3件とも、本人のテスト用アドレス宛て
つまり、読者には届いていませんでした。
この判定ができたのは、確認1でテスト用アドレスを見分けていたからです。順番は、宛先を見分ける、影響のあった通を絞る、読者宛てかどうかを判定する、でした。宛先を見分けていなければ、3件が読者宛てかどうか決められず、「届いたかもしれない」で止まっていたはずです。
対処として、ビルダーは直しました。直したあと、試し出力に grep をかけ、内部向け説明文の混入が0件になったことを確認しています。「直した」と書くだけでなく、出力そのものを検索して0件を確かめるところまでが修正の範囲です。
- 不具合ビルダーの不具合で、Mail7 の本文末尾に内部向けの説明文が混ざっていた(10/11反映の版)
- 絞り込み送信記録22件のうち、この通は3件
- 判定3件とも本人のテスト用アドレス宛て。読者には届いていなかった
- 修正と確認ビルダーを直し、試し出力の grep で混入が0件になったことを確かめた
この記事の範囲と、参照した資料
この記事に、開封率の成果の数字はありません。何%だったか、という数字をまだ出せないためです。
理由は、開封の計測を有効にしたのが2026年10月21日で、それより前は記録がないことです。計測開始後の送信から、テスト用アドレスを除いた母数を積み上げる段階にあります。まだ出せる母数が無い、というのが現状です。
記事にある数字は、確認の過程で数えた件数と日付だけです。参照した資料は次の2つです。
- Resend の送信記録(送信一覧APIで取得)と、自動配信(Automations)の run
- 2026年10月21日の作業記録(運営者の依頼、宛先の確認、計測設定の変更、Mail7 の影響範囲の調査)
ほかのツールで同じ確認をする場合は、画面や仕様が異なります。ここで書いたのは、あくまで relmea が Resend で確かめた内容です。自分の環境では、記録の取得範囲、計測の有効化の時期、宛先の中身を、それぞれ確かめてから数字を出してください。
